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日本のSaaS市場は大変革期へ!LayerX福島氏が語る「大統合時代の生き抜き方」と「起業家の勝利の方程式」

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日本のSaaS市場は、近年目覚ましい成長を遂げ、多くの新規企業が参入し、活況を呈しています。しかし、この成長の先に何が待ち受けているのでしょうか? 多くの企業が乱立する中で、市場は必然的に「大統合」の時代へと向かうと予測されています。

今回は、株式会社LayerXの代表取締役CEOである福島良典氏と、Coral Capitalのパートナーである西村賢氏の対談から、BtoB SaaS市場の未来、M&A戦略、成功する起業家のマインドセット、そして2周目だからこそ分かる創業期の落とし穴について深く掘り下げていきます。

福島氏は、株式会社Gunosyの創業から現東証グロース上場、そしてLayerXの代表取締役CEO就任という華々しい経歴を持つ、日本のテック業界を牽引する起業家の一人です。彼の経験と洞察は、激動の時代を生き抜く起業家たちにとって、まさに羅針盤となるでしょう。


第1章:BtoB SaaS市場の大統合:乱立の時代から集約の時代へ

活況を呈するSaaS市場、その先の未来

日本のSaaS(Software as a Service)市場は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速とともに急速に拡大しています。多くの企業が業務効率化や生産性向上を目指し、SaaSプロダクトを導入する中、多種多様なサービスが市場に溢れかえっています。しかし、福島氏はこのような「乱立」の状態が長く続くとは考えていません。

「BtoB SaaSや法人ソフトウェアはこんなに乱立する必要がない。絶対に大統合が起こる。」

これは、市場が成熟するにつれて、より包括的で効率的なサービスへの需要が高まり、結果として複数のSaaSが統合されたり、大手企業による買収が進んだりするという見立てです。

トップ企業に見る成長とM&A戦略の変化

現在、日本のトップSaaS企業は年間経常収益(ARR)で300億〜数百億円規模に達しています。しかし、福島氏はこの数字が今後5年で大きく変化すると予測しています。

「5年後には、ARR500億円、中には1000億円に近づく企業も出てくるだろう。」

具体例として、ラクス、Sansan、そしてマネーフォワードといった企業名が挙げられました。特にマネーフォワードは、2030年にARR1000億円、EBITDA(税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)300億円という野心的な目標を掲げています。

このようなトップ企業の成長は、M&A市場にも大きな影響を与えます。買い手の企業の規模が大きくなればなるほど、買収の規模感も飛躍的に向上するからです。現在のSaaSスタートアップのM&A相場は、ARR3億〜50億円程度の企業で、評価額はARRの10〜30倍が一般的ですが、市場が成熟し、買い手の資本力が強化されると、この相場は大きく変わると予想されます。

「EBITDAで300億円を出すような企業は、100億円規模のM&Aをバンバン行うようになる。」

これは、M&Aが単なる資本投下ではなく、戦略的な成長手段として、より大規模かつ頻繁に行われるようになることを意味します。

次の勝者となるためのM&A視点

この「大統合時代」において、スタートアップがM&Aをどのように捉えるべきでしょうか? 福島氏は、M&Aを今から狙っていくことの重要性を強調します。5年後にはM&A市場が「めちゃくちゃ熱くなる」と予測されており、その時流に乗ることが成功への鍵となります。

スタートアップがM&A市場で価値を高めるためには、以下の2つの戦略が考えられます。

  1. メガベンチャーが買いたがるビジネスを作る: 特定のニッチ市場で圧倒的な顧客支持を得たり、メガベンチャーが手薄な領域で独自の技術やノウハウを確立したりすることで、そのメガベンチャーにとって魅力的な買収対象となることを目指します。

  2. メガベンチャーを食い潰すビジネスを作る: よりアグレッシブな戦略として、現在のメガベンチャーが提供できていない、あるいは十分にカバーできていないカウンターポジションを狙い、独自の強力なエコシステムを構築します。これにより、買収される側ではなく、買収を拒否できるほどの強い立場を築き、最終的には自らが次のメガベンチャーとなる可能性を秘めています。

この二つの選択肢は、起業家が自身のビジネスをどこまで成長させたいか、どのような未来を描きたいかによって大きく異なります。しかし、いずれにしても、単なる短期的なExitを考えるのではなく、長期的な視点での戦略構築が不可欠であることは共通しています。


第2章:M&Aを「狙う」か、「拒否する」か:起業家の選択肢

IPOかM&Aか、あるいはその先か

従来のスタートアップのExit戦略といえば、IPO(新規株式公開)かM&A(合併・買収)のいずれかを選択することが一般的でした。しかし、福島氏は、日本のSaaS市場が変革期を迎える中で、起業家はより多様な選択肢を持つべきだと提言します。

「IPOを狙うのか、M&Aを狙うのか、それこそ創業株主からしたら個人資産のキャッシングでも全然意味が違う。」

確かに、創業株主にとってのExitの形は、個人の生活や次のチャレンジに大きく影響します。しかし、ここで福島氏が強調するのは、事業の成長段階に応じて、M&Aを「拒否できる」ほどの強いポジションを築くことの重要性です。

もし5年後に年間経常収益(ARR)で数億円規模のビジネスを構築できるのであれば、その経営者は、優れた経営能力、強力な採用力、そして柔軟な資金調達能力を身につけているはずです。そうなれば、M&Aのオファーが来たとしても、それを「売ってもいいし、売らなくてもいい」という選択肢を持つことができます。

「M&Aを断れるぐらい自分たちが強いポジショニングになっていたら、次のメガベンチャーになれるチャンスがある。」

これは、単にExitの選択肢を増やすだけでなく、自社のビジョンを追求し、より大きなインパクトを社会に与えるための自由を手に入れることにも繋がります。

カウンターポジション戦略の可能性

では、どのようにすればM&Aを拒否できるほどの強いポジションを築けるのでしょうか? 福島氏は「メガベンチャーが取れないようなカウンターポジション」からビジネスを始めることを推奨します。

「メガベンチャーが取れないようなカウンターポジションで始まったビジネスは、たぶんメガベンチャーが買いたがる。もしくは、メガベンチャーを食い潰せるビジネスになると思う。」

巨大企業が手を出しにくいニッチな市場や、既存の価値観を根本から覆すような革新的なアプローチは、後発のスタートアップにとって大きなチャンスとなります。そこで独創的な価値を提供し、顧客基盤を確立することで、そのビジネスはメガベンチャーにとって魅力的な買収対象となるか、あるいは脅威となり、自ら成長してメガベンチャーの座を奪う可能性も生まれるのです。

長期的な視点で事業を捉える

結局のところ、起業家は、短期的な成功やExitに囚われることなく、10年、20年、あるいはそれ以上の長期的な視点で事業を捉えることが重要です。

例えば、SaaS業界の巨人であるSalesforceは、創業から20年以上にわたるコミットメントを経て、現在の地位を築きました。AppleやMicrosoftといった企業も、数十年単位の情熱を注ぎ込むことで、世界を変えるインフラを構築してきました。

福島氏自身も、1周目のGunosyでの経験を経て、2周目のLayerXでは、より長期的な視点での事業構築を目指しています。目先の利益だけでなく、社会インフラとなりうるような、深く永続的な価値を生み出す事業を選びたいという思いは、彼の育児休業経験とも結びついています。

「1カ月だけ考えるとマイナスかもしれませんが、30年後40年後の会社の私のモチベーションが高くなることを考えると、誤差だった。」

これは、経営者自身の長期的なモチベーション維持が、事業の持続的成長にとっていかに重要であるかを示唆しています。個人の幸せと事業の成長が両立するエコシステムを築くことが、結果として「みんなにとってハッピー」な状況を生み出すのです。


第3章:成功へ導く起業家のマインドセット:「大ホームラン以外は失敗」の真意

「大ホームラン以外は失敗」という覚悟

起業家が成功を収めるためには、どのようなマインドセットを持つべきでしょうか? 福島氏は、自身の哲学として「大ホームラン以外は失敗」という言葉を掲げています。これは、単なる大言壮語ではなく、事業の成功確率を最大化するための深い洞察に基づいています。

「経営者のマインドセットが、大ホームランを打つこと以外失敗だと思えているかどうかは、会社にとってすごく大事なんじゃないか。」

このマインドセットは、以下のような意味合いを含んでいます。

  1. 集中と選択: ヒットを狙うのではなく、大ホームランという明確な目標を設定することで、リソースや戦略を一点に集中させ、曖昧さを排除します。
  2. 大胆な挑戦: 大ホームランを目指す過程では、リスクを恐れずに大胆な意思決定やイノベーションが必要となります。
  3. 長期的な視点: 短期的な利益や小規模な成功に満足せず、社会に永続的なインパクトを与えるような巨大な成功を目指します。
  4. エコシステムへの貢献: 大ホームランを打てれば、そこから新しいエコシステムが生まれ、関わる全ての人々(社員、顧客、投資家など)がハッピーになる状況を生み出すことができます。

経済的自由がもたらす「本気の挑戦」

「おカネ」は、多くの起業家が口にしたがらないテーマですが、福島氏はその重要性を率直に語ります。しかし、それは「何千億円も、何兆円も持っている必要がある」という意味ではありません。

「何十億も何百億もある必要はない。本当に数億円、数千万円あるだけでも全然違う。気持ち的にも違う。」

ここで言う「おカネ」は、起業家が自身の生活やリスクへの不安から解放され、事業に「本気で取り組む」ための経済的自由を指します。株のセカンダリー(創業者が保有する株式の一部を売却し、キャッシュを得ること)も、ポジティブに捉えられるべき選択肢の一つです。これにより、創業者は過度な金銭的プレッシャーから解放され、より純粋なモチベーションと長期的な視点で事業に専念できるようになります。

「創業者自身が余裕を持って大ホームランを狙いに行けるからこそ、結果的に大ホームランが打てる。それがみんなをハッピーにする。」

この考え方は、創業者が経済的な安定を得ることで、より大胆な意思決定を下し、それが結果的に事業全体の成長と社会への貢献に繋がるという好循環を示しています。

育児休業が教えてくれた「長期的なモチベーション」

福島氏自身、2018年にLayerXを創業後、育児休業を取得するという、当時のスタートアップ界隈では異例の決断をしました。一見すると事業の停滞に繋がる可能性のあるこの決断は、彼に新たな視点をもたらしました。

「本当にインパクトのある仕事をするなら、一生やる必要がある。一生をかけて情熱を燃やせる必要がある。」

彼は、仕事だけを考えるのではなく、家族とのバランスや個人の幸福が、長期的なモチベーション維持に不可欠であると気づきました。目先の1カ月の休業が会社にとってマイナスに見えても、30年後、40年後の事業を考えた時、経営者自身のモチベーションが高まることは、むしろ会社にとって大きなプラスとなる「誤差」であると語ります。

AppleやMicrosoftといったグローバル企業も、その成長は一朝一夕に成し遂げられたものではありません。数十年という長い年月をかけて情熱を注ぎ込み、社会インフラとなるプロダクトを築き上げてきたのです。福島氏は、LayerXにおいても、5年で旬が過ぎ去るような事業ではなく、10年、20年かけて社会インフラとなるような「社会インパクトのある事業」を選びたいと語っています。

このようなマインドセットを持つことで、起業家は目先の困難に囚われず、自らの情熱とビジョンを原動力として、日本のSaaS市場、ひいては社会全体に大きな変革をもたらすことができるでしょう。


第4章:2周目だからわかる創業期の落とし穴:見落としがちな「ワンウェイ」の意思決定

「正論を超える意思決定」の重要性

1周目の起業経験から得た福島氏の最も貴重な学びの一つは、「正論を超える意思決定」の重要性です。これは、常に一般的な正解や過去の成功事例に囚われるのではなく、時には常識を覆すような大胆な判断を下すことが、スタートアップの成長に不可欠であるという示唆です。

「1周回っている経営者は、正論で決めない。分かりやすい合議で決めない。」

これは、スタートアップという未開の領域を進む上では、前例のない状況に直面することが多く、一般的な「正論」が必ずしも最適な答えとは限らないことを意味します。

落とし穴1:作り込みすぎた人事制度

人事制度の構築もその一例です。正論でいえば、早い段階で制度をカチッと作り込むべきとされがちですが、福島氏はこれに異を唱えます。

「100人ぐらいになるまでカチッとした人事制度は作らなくていい。50人ぐらいの時はすごくラフなものを作っていた。」

スタートアップの初期段階は、何よりもスピード感が命です。カチッとした人事制度は、組織が硬直化し、素早い意思決定や柔軟な対応を阻害する可能性があります。評価や報酬の制度は重要ですが、それらが売上を直接生み出さない以上、適切なタイミングで導入することが肝要です。初期段階では、むしろラフな運用で個々の貢献を最大化し、プロダクトと営業に集中することが優先されるべきです。

落とし穴2:資金調達の「正論」に囚われない

資金調達においても、「正論」に囚われない意思決定が成功に繋がった経験が語られました。LayerX創業期、ブロックチェーン事業からピボットする際、多額の資金調達を行いました。

「シードで30億円を集めるなんて、正論からするともっと慎重に段階を踏んでやるべき。でも、あえて正論と外れた資金調達をした結果、ブロックチェーンからのピボットという大きな決断ができた。」

もし、一般的な「正論」に従って段階的に少額の資金調達をしていたら、ピボットに必要な潤沢な手元資金がなく、デッドロックに陥っていた可能性があったと福島氏は語ります。この大胆な資金調達が、LayerXのその後の成長を支える重要な土台となりました。

落とし穴3:後戻りできない「ワンウェイ」なデータ設計

創業期に最も注意すべき「ワンウェイ(後戻りできない)な意思決定」は、データの設計に関わる部分です。

「プロダクトのデータスキーマや、ログの取り方は、後戻りできないワンウェイなもの。これは慎重に設計すべきで、軽視すると後から取り返しのつかないことになる。」

福島氏の経験談では、過去にデータスキーマの設計が不十分だったために、8年分のデータが「ゴミ同然」になってしまったという苦い教訓が語られました。データは「現代の石油」と称されますが、その基盤となるスキーマが脆弱であれば、どれだけデータを蓄積しても、有効活用することはできません。

これに対し、アプリケーションのコードなどは、後からいくらでも捨てたり、書き直したりすることが可能です。しかし、一度定着したデータ構造や、取り逃したログは、修正や回収が極めて困難、あるいは不可能になります。

対策として、福島氏は以下の点を強調します。

  1. グランドデザインの重要性: 初期段階から、10年後、20年後を見据えたデータスキーマのグランドデザインを慎重に設計すること。
  2. ログの徹底的な取得: 考えうる全てのログを、例え構造化されていなくても、まずはテキストファイル形式で構わないので、全て残しておくこと。
    • 現代では、Large Language Models (LLM) などの技術を活用すれば、後から非構造化データからでも有用な情報を抽出・構造化することが可能になっています。未来の技術革新を信じて、まずはデータを残すことが重要です。
  3. 「分かったふりをしない」姿勢: 自身の知識や経験の限界を認識し、分からないことは素直に外部の専門家(VC、メンター、先輩起業家など)に積極的に質問すること。
    • 特に、VCは多種多様なスタートアップの成功・失敗事例を横断的に見ており、業界のナレッジを最も多く蓄積している存在です。彼らの知見を最大限に活用すべきだと語ります。

これらの教訓は、特にスタートアップの初期段階において、どの意思決定に時間と労力を注ぎ、どの部分で柔軟性を持たせるべきかという、起業家にとって最も難しい判断基準を示しています。


第5章:組織の勢いを復活させる「遊撃部隊」の秘訣 (Q&A)

Q:組織の勢いが低下した場合、どのようにモメンタムを上げればよいのか?

組織の勢い、すなわちモメンタムが低下することは、スタートアップに限らずどの企業にも起こりうる問題です。福島氏は、その原因が採用の停滞、売上の伸び悩み、新規プロダクト開発の遅延など、多岐にわたると指摘します。このような状況を打破するために、LayerXでは「遊撃部隊」というアプローチを採用しています。

「固定化された組織図とは別に、会社内のボトルネックを特定し、有機的に動く『遊撃部隊』を置く。彼らが小人数のチームでボトルネックを解決し、成功事例を作って横展開する。」

この遊撃部隊の役割は、以下の通りです。

  1. ボトルネックの特定: 組織全体のパフォーマンスを阻害している根本的な課題(ボトルネック)を正確に特定します。これは、多くの場合、特定の部署や機能に限定されず、組織横断的な問題であることがあります。
  2. 小規模での成功事例創出: 特定されたボトルネックに対し、遊撃部隊が迅速に介入し、小規模ながらも具体的な成功事例を創出します。これにより、組織内に停滞していたエネルギーを再び活性化させ、成功体験を共有します。
  3. 成功パターンの横展開: 遊撃部隊が生み出した成功パターンや解決策を、他の部署やチームに横展開することで、組織全体のモメンタムを段階的に引き上げていきます。

この戦略は、従来の階層的な組織構造では対応が難しい、突発的かつ流動的な課題に対し、機動性と柔軟性を持って対処することを可能にします。福島氏の直接の部下である「牧迫」氏が率いるチームが、この遊撃部隊的な役割を担い、社内の様々な課題解決に取り組んでいると語られました。

Q:会社のボトルネックを解決する遊撃部隊チームはどのようなメンバー構成なのか?

遊撃部隊のメンバー構成は、その効果を最大化する上で非常に重要です。福島氏は、遊撃部隊には**特定の専門分野に特化しない「ジェネラリスト」**を配置することが望ましいと述べます。

「営業にめちゃくちゃ強い、マーケティングにめちゃくちゃ強い、というよりは、満遍なく成果を出すフレームを知っている人。」

具体的な構成としては、以下のような人材が理想的とされます。

  • フルスタックなエンジニア: 技術的な課題解決からプロダクト開発まで、幅広いスキルを持つエンジニア。
  • フルスタックなビジネスマン: 営業、マーケティング、事業開発など、ビジネスの様々な側面を理解し、実行できる人材。

このようなジェネラリストは、突然組織の特定の課題にアサインされても、状況全体を素早く把握し、多角的な視点から解決策を導き出す能力を持っています。彼らは、問題解決のためのフレームワークを熟知しており、結果を出すことにコミットできる「優秀な」人材であることが重要です。

彼らは、社内で高い評価を得ている人材であることが多く、彼らが遊撃部隊で成功を収めることで、その成功が社内に波及しやすくなるという二次的な効果も期待できます。遊撃部隊は、経営層の強いバックアップのもとで活動し、組織の硬直化を避けつつ、常に新しい挑戦と成功を生み出すための重要なエンジンとなるのです。


まとめ:大統合時代を勝ち抜くための羅針盤

LayerXの福島良典氏とCoral Capitalの西村賢氏の対談から、日本のSaaS市場が迎える「大統合時代」において、起業家が取るべき戦略とマインドセットが明確になりました。

  1. 市場の潮目を読む: SaaS市場の大統合は避けられない潮流であり、5年後にはM&A市場が大きく変化するでしょう。この変化を予測し、戦略を立てることが重要です。
  2. M&A戦略の多様化: IPOかM&Aかという二択に留まらず、カウンターポジション戦略でM&Aを拒否できるほどの強い企業を目指す道も拓かれています。
  3. 「大ホームラン」のマインドセット: 経済的自由を確保し、個人的な利益を超えて社会に大きなインパクトを与える「大ホームラン」を目指すマインドセットが、結果的に会社全体の成長と社員の幸福に繋がります。
  4. 「ワンウェイ」意思決定の徹底: データスキーマや資本政策など、後戻りできない「ワンウェイ」な意思決定は、慎重かつ長期的な視点で設計すべきです。特にデータは企業の未来を左右する根幹であり、創業期からの徹底したログ取得が不可欠です。
  5. 組織のモメンタム維持と「遊撃部隊」: 組織の勢いが低下した際には、ジェネラリストで構成された遊撃部隊がボトルネックを特定し、迅速に解決することで、再びモメンタムを取り戻すことができます。

福島氏の言葉の端々からは、技術への深い理解、市場への鋭い洞察、そして何よりも起業家としての情熱と、そこに関わる人々への深い配慮が感じられました。彼のような経験豊富な起業家の知見は、日本のスタートアップエコシステム全体を押し上げ、次なるメガベンチャーが生まれるための強力な羅針盤となるでしょう。

未来は、常に変化し続けます。しかし、変化の波を読み、大胆な意思決定と情熱を持って挑戦し続ける起業家たちがいれば、日本のテック業界はさらなる高みへと到達するはずです。