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AI新時代を拓く「コンピューティング」の真髄:Groq創業者Jonathan RossがNVIDIA、OpenAI、そして世界のエネルギー問題を語る

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序章:AIの夜明け、その市場は「バブル」か、それとも「新たな黄金時代」か?

現在、AIは世界中のビジネス、技術、そして社会のあらゆる側面に深い変革をもたらそうとしています。この進化のスピードは過去に類を見ないものであり、多くの人々がその未来に期待と同時に不安を抱いています。「AI市場は過熱しているのか?」「バブルは存在するのか?」──このような問いかけは、今日の技術業界における最も熱い議論の一つです。

今回、私たちはAI半導体企業のGroq(グロック)創業者兼CEO、ジョナサン・ロス氏の洞察に触れる機会を得ました。彼は、AIの未来を形作るコンピューティングの核となる要素について、他に類を見ない深い視点を提供します。この記事では、ロス氏の言葉を深く掘り下げ、現在のAI市場の真の姿、コンピューティングがもたらす計り知れない価値、チップ開発の最前線、エネルギー問題、そしてAIが経済と社会に与える未来の影響について、詳細かつ分かりやすく解説していきます。

NVIDIAの市場評価は10兆ドルに達するのか?OpenAIやAnthropicのようなAIの巨人たちは、なぜ自社チップの開発に乗り出すのか?そして、このAI革命を支えるエネルギーはどこから来るのか?これらの疑問に対する答えが、これからの技術と経済の行方を理解する鍵となるでしょう。

第1章:AI市場の「熱狂」とその本質 – バブル論を超えた「スマートマネー」の動き

AI市場の現状を分析する際、ロス氏はまず「バブルか否か」という問いを退けます。その代わりに、彼はより本質的な問いを投げかけます。「スマートマネーは何をしているのか?」

Google、Microsoft、Amazonといった巨大企業、そして各国政府がAIへの投資を加速させている事実は、単なる流行や投機的な動きではないことを示唆しています。彼らは、AIがもたらす計り知れない価値を認識し、そのリーダーシップを維持するために、文字通り「酔っぱらった船乗り」のように資金を投入しているのです。

スマートマネーの動きと「実利」

MicrosoftのGPU利用例は、この投資の裏にある「実利」を鮮やかに示しています。ある四半期に大量のGPUを導入したMicrosoftは、それらをAzureで貸し出すよりも、自社で利用した方がはるかに多くの収益を上げたことを発表しました。これは、AIコンピューティングが生成する価値が、そのコストをはるかに上回ることを明確に示しています。

ロス氏は、現在のAI市場を「石油掘削の初期段階」になぞらえます。多くの「空振り」がある一方で、ごく少数の「大噴出」が存在する、という見方です。実際、AI関連の収益やトークン消費の99%は、わずか35〜36社で占められていると指摘されています。この「偏り」(lumpiness)は、市場が未成熟であり、成功への道筋がまだ科学的に確立されていない証拠です。今は「直感」や「感覚」に基づいた投資が大きな富を生む時期であり、やがて市場が成熟し、科学的なアプローチが主流となれば、投資家が得られるリターンは減少するとロス氏は見ています。つまり、今はまだ「良い投資家」にとって最高の時期なのです。

経営者の「危機感」が投資を加速させる

では、なぜ企業はこれほど巨額の設備投資(Capex)を続けているのでしょうか?ロス氏は、これを純粋な経済的リターンだけでなく、「事業存続への危機感」から説明します。彼は、アブダビでのゴールドマン・サックスのイベントで、数十億ドルを運用するファンドマネージャーたちに「10年後、AIがあなたの仕事を奪わないと100%確信している人は?」と尋ねたところ、一人も手を挙げなかったというエピソードを語ります。

ハイパースケーラーも同様の危機感を抱いています。もしAIに投資しなければ、彼らはビジネスから完全に締め出されてしまう可能性があります。「Mag 7」(マイクロソフト、アップル、エヌビディア、グーグル、アマゾン、テスラ、メタ)のようなトップ企業グループに留まるためには、莫大な投資を続ける必要があるのです。これは、株価維持と市場リーダーシップ確保のための「避けられない支出」と捉えられています。

OpenAIとNVIDIAの「無限ループ」の真実

OpenAIがNVIDIAに1000億ドルを投資し、NVIDIAのチップを買い戻すという話は、一見すると「無限の資金ループ」のように見えるかもしれません。しかし、ロス氏はこの見方を否定します。彼によると、この支出の約40%は、チップ製造のためのサプライヤーへと流れており、実際の生産的な成果を生み出しています。つまり、これは「部分的なループ」ではあるものの、エコシステム全体に価値を還元している健全な動きなのです。

企業が収益増加によって株価が大きく上昇するのは、その収益が継続するという「ロックイン」効果への期待があるからです。NVIDIAの場合、これは「NVIDIAが優れている」だけでなく、「世界に十分なコンピューティング能力が存在しない」という事実が背景にあります。この「飽くなきコンピューティング需要」こそが、AI市場の熱狂の核心にあるのです。

第2章:AIが生み出す「計り知れない価値」とROI – 速度と定性的な変革

AIへの巨額投資は、単なる投機ではなく、具体的な、時には計り知れない価値を生み出しています。ロス氏の語る「Vibe Coding」の事例は、AIがもたらす生産性向上とビジネス変革の可能性を浮き彫りにします。

Vibe Coding:4時間でプロダクションへ

ロス氏は、顧客から要望された機能を、彼自身が「プロンプトエンジニアリング」を使ってエンジニアを指示し、わずか4時間でプロダクション環境にデプロイした経験を語ります。このプロセスでは、人間が一行のコードも書かず、デバッグも行いませんでした。すべてがプロンプティングと自動化によって完結したのです。

このような驚異的なスピードは、単に開発コストを削減するという定量的なROIに留まりません。顧客の要望を会議中に解決できるレベルにまでスピードが向上すれば、競合他社が獲得できないような取引を勝ち取ることができるようになります。これは、ビジネスにおける質的な差異を生み出し、競争優位性を確立する上で極めて重要な要素となります。

「コンピューティング制限」が収益を阻害する

ロス氏は、OpenAIやAnthropicのような主要AI企業が、現在コンピューティング能力に大きく制限されていると指摘します。彼は、「もしOpenAIやAnthropicが現在の2倍の推論コンピューティング能力を与えられたら、1ヶ月以内に彼らの収益はほぼ倍増するだろう」と断言します。

その理由は明確です。Anthropicのような企業は、レートリミット(利用制限)によって顧客が十分なトークンを得られないという不満を抱えています。より多くのコンピューティング能力があれば、より多くのトークンを生成し、より多くの収益を上げることができます。OpenAIのようなチャットサービスでは、速度を落とすことでサービスの質が低下し、ユーザーエンゲージメントが減少します。これらはすべて、コンピューティング能力の不足が直接的に収益機会を損なっていることを示しています。

スピードこそがブランド価値を築く

一部には「レイテンシーがあっても問題ない。プロンプトを入れて他のことをしていれば良い」という意見もありますが、ロス氏はこれを「100%間違っている」と強く否定します。彼は、消費財(CPG)業界の例を挙げ、高マージン製品は「成分が消費者に作用するスピード」と強く相関していることを説明します。タバコ、噛みタバコ、ソフトドリンクと続く例では、その即効性がブランドロイヤルティを築く上でいかに重要であるかが示されます。

インターネット企業の歴史もこの点を裏付けています。Googleがスピードに注力し、Facebookがスピードを追求した結果、彼らは巨大なブランド価値を築きました。ウェブページの読み込み速度やアプリの応答速度が100ミリ秒速くなるごとに、コンバージョン率が約8%向上するというデータもあります。

ロス氏とGroqのチームが自社チップの速度向上に取り組んだ際、人々は「人間が読むより速い必要はない」と疑問を呈しました。しかし、ロス氏は「ウェブページが人間が読むより速くロードされる必要はないのか?」と反論します。この「心の断絶」こそが、人々がAIにおけるスピードの根源的な重要性を理解できない原因だと彼は考えています。エンゲージメントや成果において何が本当に重要であるかを判断することにおいて、人間は非常に不得手であり、初期のインターネット企業を構築した経験から、ロス氏はこの点を深く理解しています。

結論として、AIにおけるコンピューティング能力とスピードは、単なる効率性の問題ではありません。それは、顧客に提供する価値の質を決定し、ブランドロイヤルティを築き、ビジネスを成長させるための最も重要な推進力なのです。

第3章:自社チップ開発の動向と「運命の支配」 – NVIDIA優位への挑戦

AIの進化が加速するにつれて、OpenAI、Anthropic、そして各ハイパースケーラーといった大手プレイヤーが、NVIDIAのGPUに依存する現状から脱却し、自社チップの開発へと乗り出す動きが顕著になっています。この動きの背景には、単なるコスト削減を超えた、より深い戦略的意図が隠されています。

チップ開発の過酷な現実

ロス氏は、自社チップ開発の困難さを強調します。「チップを構築すること自体が難しい」と多くの人が考えがちですが、実際に手掛けてみると「ソフトウェア開発が難しい」と気づき、さらに進むと「技術の進化に追随し続けることが難しい」と理解すると語ります。

GoogleのTPUは成功例として知られていますが、ロス氏は「同時期に3つのチップ開発プロジェクトが進行しており、GPUを上回ったのはそのうちの1つだけだった」という裏話を明かします。TeslaのDojoプロジェクトが中止になった例を挙げ、「NVIDIAに匹敵するAIチップを自社で開発するというのは、Google検索を再現しようとするのと同じくらい狂気の沙汰だ」と述べます。NVIDIAのレベルの最適化、設計、エンジニアリングを再現することは、成功確率が非常に低い挑戦です。

それでもなお、大手企業がこの困難な道を選ぶのはなぜでしょうか?ロス氏は、GoogleがAMDチップのために1万台ものサーバーを構築したにもかかわらず、最終的にはIntelチップに切り替えた例を挙げます。この時、Googleの真の目的は、AMDチップを大規模に展開することではなく、Intelからより良い割引を引き出すための「交渉材料」として利用することだったと説明します。自社チップ開発には、このように多様な動機が存在するのです。

NVIDIAのHBM独占力(モノプソニー)と「運命の支配」

自社チップ開発を促すもう一つの大きな要因は、NVIDIAが持つ「HBM(高帯域幅メモリ)のモノプソニー」です。モノプソニーとは、市場に単一の買い手が存在する状況を指し、NVIDIAはHBM市場において圧倒的な購買力を持ちます。

ロス氏によると、GPUの製造プロセス自体はスマートフォンのチップと同じであり、NVIDIAは年間5000万個のGPUダイを製造する能力があります。しかし、実際に製造されるGPUは年間約550万個に過ぎません。このボトルネックとなっているのがHBMの有限な供給能力です。HBMはGPUの性能を決定づける重要な部品であり、その供給はNVIDIAが優先的に確保します。

ハイパースケーラーがNVIDIAに「100万個のGPUが欲しい」と依頼しても、NVIDIAは「他の顧客もいる」と答えることがあります。すると、ハイパースケーラーは「それなら自分で作る」と脅しをかける。結果として、NVIDIAは彼らにGPUを供給することになる、という駆け引きが行われているとロス氏は示唆します。

このような状況下で、自社チップを開発することの真の価値は、**「自分の運命を自分でコントロールできること」**にあるとロス氏は語ります。NVIDIAにGPUの割り当てを左右されることなく、自社のロードマップと需要に基づいてコンピューティング能力を確保できることこそが、自社チップの最大の魅力なのです。たとえ自社チップの性能がNVIDIA製にわずかに劣り、展開コストが高くなったとしても、NVIDIAに支配されるリスクを回避できるという戦略的利点は計り知れません。

NVIDIAのGPUが市場を支配しているのは、わずかな性能差がシステム全体の価値に大きな影響を与えるためです。チップ性能のわずかな向上が、システム全体の価値を大きく高め、結果として製品の販売において圧倒的な優位性をもたらします。この「小さな差が大きな差を生む」という原理が、NVIDIAの現在の地位を確立しているのです。

しかし、HBM市場の供給制約は、NVIDIAにとっても課題です。需要の爆発的増加に対して、HBMサプライヤーは保守的な投資姿勢を崩さず、高マージンを維持しようとします。NVIDIAは2年以上前に大量の発注をすることで供給を確保していますが、AIの予測不可能な成長速度を考えると、常に十分な供給を確保することは困難です。このような状況が、自社チップ開発へのインセンティブをさらに高めています。

第4章:チップサプライチェーンの課題とGroqの優位性 – 「供給能力」こそが価値

AI時代のコンピューティング需要の急増は、既存のチップサプライチェーンに大きな課題を突きつけています。特に、HBM(高帯域幅メモリ)の供給不足は深刻であり、これがAI企業の戦略、特に巨額の資金調達の背景にあるとロス氏は解説します。

HBMの供給制約と巨額資金調達の真意

ロス氏は、HBMの供給が不足している主な理由として、以下の点を挙げます。

  1. 高マージン: HBMは非常に高い利益率を持つため、サプライヤーは市場への供給量を増やすことでマージンが低下することを嫌がります。
  2. 保守的な投資: メモリサプライヤーは、過去の市場変動から学んでおり、設備投資には非常に保守的です。AIの需要が爆発的に伸びているとはいえ、大規模な増産には慎重な姿勢を示しています。
  3. 長期的な投資スパン: HBM生産のための設備投資は、2年以上前から計画し、実行する必要があります。AIの進化速度が予測不能な現状では、需要の正確な予測とそれに見合う投資判断が極めて困難です。

OpenAIなどが数百億ドル規模の資金調達を行っているのは、このHBMの供給制約を緩和し、自社でコンピューティングインフラを構築するためです。しかし、ロス氏によると、この資金の多くは、チップそのものよりも「データセンター」の構築に充てられます。チップの償却期間が3〜5年であるのに対し、データセンターは10年以上の長期にわたって償却されるため、年間のコスト負担はデータセンターの方が大きくなる傾向があります。

チップの陳腐化リスクと償却戦略

チップの技術革新は非常に速く、新しいチップが毎年登場するサイクルです。このため、一度導入したチップの「価値」が時間とともに急速に低下するリスクがあります。ロス氏は、この課題に対する戦略として「償却期間の最小化」を挙げます。

企業は、チップを導入する際に初期費用(Capex)を回収し、利益を出す必要があります。しかし、一度導入され稼働し始めたチップは、運用コスト(Opex)を上回る限り稼働を続けることになります。つまり、新しい高性能チップが登場し、古いチップの価値が低下しても、Opexを下回らない限りは利用され続けるのです。現在、5年近く前のH100 GPUが依然として高値でレンタルされているのは、コンピューティング能力の需要が供給を圧倒しているためです。

しかし、この状況は永遠には続きません。新しいチップが旧チップのOpexを下回る性能効率を提供し始めると、旧チップは「無駄な供給」となり、破棄されることになります。これは、長期契約を結んでいる企業にとっては、契約解除のコストとチップ稼働の損失のどちらかを選ぶという厳しい決断を迫られる可能性があります。Groqは、このリスクを避けるため、内部的に「はるかに短い回収期間」を設定しているとロス氏は語ります。

Groqの「速度」と「供給能力」がもたらす差別化

このような市場環境において、Groqは独自の強みを発揮します。 顧客が最初にGroqに求めるのは「スピード」ですが、彼らはすぐに「十分なコンピューティング能力の確保」こそが最大の課題であることに気づきます。ロス氏は、ある顧客がGroqの総容量の5倍ものコンピューティングを求めてきたが、誰もその要望に応えられなかったエピソードを語ります。

Groqの最大のバリュープロポジションは、既存のGPUサプライチェーンとは異なる、より迅速な供給能力にあります。NVIDIAのGPUが2年前の注文で供給が決まるのに対し、GroqはLPU(Language Processor Unit)の注文から6ヶ月で供給を開始できます。この18ヶ月のリードタイムは、AI技術の進化速度を考えると極めて重要です。

ロス氏は、主要ハイパースケーラーのインフラ責任者との会議で、スピードやコストの話よりも、この「6ヶ月で供給できる」というサプライチェーンの優位性に、相手が最も関心を示したと明かします。AIモデルがハードウェアに最適化される「ハードウェアくじ」の概念を考えると、市場参入者は迅速なハードウェア開発サイクルが必須となります。 incumbent(既存勢力)は2年先の計画でも問題ありませんが、新規参入者は、モデル開発者が自社のハードウェア向けに設計するインセンティブを持つように、より速いサイクルで製品を提供する必要があります。

第5章:NVIDIAの未来とAIの持続的成長 – 飽くなき需要と新しい経済学

OpenAIやAnthropicが自社チップ開発へと舵を切る中で、NVIDIAの市場における地位はどうなるのでしょうか?ロス氏は、NVIDIAが今後も強力な存在であり続けると予測しつつ、AI市場の特異な成長メカニズムを解説します。

NVIDIAはなぜ依然として強いのか?

たとえ多くのAI企業が自社チップを開発し始めても、ロス氏は「NVIDIAは構築するGPUをすべて売り続けるだろう」と断言します。その理由は、AIコンピューティングの需要が際限なく増加する「好循環」にあるからです。

AIはSAS(Software as a Service)モデルとは異なる特性を持っています。SASでは、エンジニアが製品を開発し、その品質はエンジニアの仕事によって決まります。しかし、AIでは、より多くのコンピューティング能力を投入することで、製品の品質を直接的に向上させることができます。例えば、2つの異なるプロンプトインスタンスを実行し、より良い回答を選択するといった方法で、クエリごとの品質を高めることが可能です。顧客の価値に応じて、より多くのコンピューティングリソースを割り当てることもできます。OpenAIが一部の製品で、高額なコンピューティングコストを要するため、限られたユーザーに高価格で提供し、その製品がどれだけ優れているかを探っている事例は、この点を明確に示しています。

このメカニズムにより、アプリケーションへのコンピューティング投入量が増えるたびに、品質が向上します。結果として、AI企業のトークンサービスへの支出は収益にほぼ匹敵し、顧客獲得競争において、より多くの支出がより良い製品を生み出すという構造が生まれます。

効率性への転換と市場の拡大

GPT-5が効率性を重視しているという見方は、コンピューティングが性能向上に直線的に寄与しないという誤解に基づいているとロス氏は指摘します。OpenAIが効率性を追求するのは、コストに敏感な市場、例えばインドのような国々に進出し、月額1.13ドルといった低価格でサービスを提供するためです。彼らは「AIがない」という選択肢しかない市場に進出し、市場全体のパイを拡大しようとしています。

中国のAIモデルが「安い」という誤解についても、ロス氏は言及します。多くの人は、中国モデルが低コストで運用できると考えていましたが、実際には米国モデルの約10倍も高価です。中国モデルは「訓練コスト」を低く抑えることに最適化されており、米国モデルは「推論コスト」を低く抑えることに最適化されているのです。米国は膨大なコンピューティング能力の優位性を持っており、これにより、より高度な訓練を施し、推論コストを削減できるという経済的な利点があります。

オープンモデル戦略の有効性

ロス氏は、AIモデルをオープンソース化する戦略の利点についても語ります。OpenAIがモデルをオープンソース化するだろうと予測していた彼は、Anthropicも旧世代モデルをオープンソース化すべきだと考えます。その理由は、中国モデルではなくAnthropicモデルをユーザーに利用させることで、プロンプトの互換性を維持し、最終的にはよりプレミアムなモデルへの移行を促すことができるからです。OpenAIのOSSモデルが採用された主な理由の一つは、ユーザーが既存のプロンプトを再利用できたことでした。低コストのアプリケーションでオープンソースモデルを利用し、成功すればプレミアムモデルへ移行するというサイクルは、エコシステム全体を活性化させます。

コンピューティングは「最も簡単なノブ」

AIを改善する要素として、データ、アルゴリズム、コンピューティングの3つがあります。ロス氏は、「どれか一つでも改善すればAIは向上する」と述べますが、その中で「最も簡単なノブ」はコンピューティングだと断言します。アルゴリズムの改善は稀であり、質の高いデータを大量に得ることは難しい。合成データ生成もまだ完全に確立されていません。しかし、コンピューティングは毎年着実に進化し、資金を投じれば確実に増やせる、最も予測可能な要素だからです。

現在のAI市場は、このコンピューティング需要を劇的に過小評価しているとロス氏は考えています。「コンピューティングを増やすほど、製品の品質は向上する。そこに限界はない。」これは産業革命とは根本的に異なります。産業革命では、エネルギーがあってもそれを活用する機械が必要でしたが、AIにおいては、コンピューティング能力を直接経済に投入するだけで、経済全体が強化されるのです。

第6章:AI時代のエネルギー危機と地政学 – 国家のAI戦略を左右する資源

AI革命の根底には、膨大なコンピューティング能力の必要性があり、そのコンピューティング能力は莫大なエネルギーを消費します。ジョナサン・ロス氏は、「コンピューティングを支配する国がAIを支配し、エネルギーなくしてコンピューティングはありえない」という強力なメッセージを投げかけ、AI時代の地政学とエネルギー問題の密接な関係を浮き彫りにします。

核エネルギーだけではない解決策

AIのエネルギー問題というと、多くの人が「核エネルギー」に注目しがちですが、ロス氏は必ずしもそれに限定される必要はないと指摘します。「再生可能エネルギーも効率的で費用対効果が高い」と彼は語り、盟友国が中国を上回るエネルギーを確保するためのシンプルなハックを提案します。それは、コンピューティングを安価なエネルギーがある場所に配置する意志を持つことです。

ヨーロッパを例に挙げ、ロス氏は、米国が「見送りのリスク」(Mistakes of Omission)を恐れるのに対し、ヨーロッパは「行動することによる失敗のリスク」(Mistakes of Commission)を過度に恐れる傾向があると分析します。成長経済においては、チャンスを逃すことの方が、何かを失敗することよりもはるかにコストが高いと彼は主張します。

もしヨーロッパがAI競争に本気で勝ちたいなら、ノルウェーのような国が持つ膨大な風力発電と水力発電の潜在能力を最大限に活用すべきだとロス氏は提案します。ノルウェーの風力は80%もの高い稼働率を持ち、水力との組み合わせで、ノルウェー一国で米国全体と同等のエネルギーを安定的に供給できる可能性があると彼は指摘します。さらに、サウジアラビアが「データ大使館」構想を進めている例を挙げ、再生可能エネルギーが豊富な国と協力し、そこにデータセンターを誘致することも解決策の一つとなり得ると語ります。

日本の動きと欧州への警鐘

ロス氏は、最近日本を訪れた経験から、日本の動きに注目すべきだと指摘します。日本は意思決定は遅いものの、一度決断すれば驚くほどの速さで実行する国だと彼は評価します。日本は2nmプロセス対応の半導体工場を建設し、すでにウェハー生産に成功しています。また、AIに650億ドルを投じ、その資金を迅速に使う方針を打ち出しています。

そして何より重要なのは、日本が原子力発電所の再稼働に動いているという事実です。これは、原子力発電が現代において極めて安全なエネルギー源であることを示唆しています。ロス氏は、日本が動く中で、ヨーロッパもエネルギー確保の必要性を認識し、追いつくべきだと警鐘を鳴らします。ヨーロッパが夏には非常に暑く、冬には非常に寒いという問題も、エネルギー不足に起因するものであり、「もっとエネルギーを建設すべきだ」と彼は力説します。

「モデル主権」だけでは勝てない

一部の国や企業は、「モデル主権」を掲げ、自国で開発されたAIモデルを使用することの重要性を強調します。例えば、ヨーロッパのMistral AIは、自国企業のモデルを使うことで、データが他国の管理下に置かれるリスクを回避しようとしています。しかし、ロス氏は「モデル主権だけでは十分ではない」と指摘します。

「コンピューティングがなければAIは実行できない。どんなに優れたモデルがあっても、それを動かすコンピューティングがなければ無意味だ」と彼は語ります。たとえOpenAIのモデルより10倍賢いモデルがあっても、OpenAIが10倍のコンピューティングを持っていれば、OpenAIのモデルの方が優位に立つという厳しい現実を突きつけます。Mistralのような企業を応援し、実際にGroqもパートナーシップを結んでいるものの、ヨーロッパが必要なのは「Mistralが競争できるだけのコンピューティングを構築すること」だと彼は強調します。

結局のところ、AIの未来は「エネルギー」に左右されることになります。国家レベルでのエネルギー戦略、特にリスクを恐れずに安価なエネルギー源を確保し、そこにコンピューティングを集中させる勇気が、今後のAI競争における勝敗を分ける鍵となるでしょう。

第7章:AIが変える経済と社会 – 労働力不足、デフレ、そして「Vibe Coding」の時代

AIの進化は、私たちの経済や社会の根幹を揺るがすほどの変革をもたらそうとしています。ジョナサン・ロス氏は、多くの人が懸念する「AIによる大量失業」という一般的な見方に対し、全く異なる、しかし説得力のある未来予測を提示します。

NVIDIAの支配力の行方:訓練と推論の「好循環」

推論(Inference)の需要が訓練(Training)の需要を上回り始めるにつれて、NVIDIAの市場支配力が弱まるのではないかという問いに対し、ロス氏は「NVIDIAは構築するGPUをすべて売り続けるだろう」と再び強調します。推論が増えれば増えるほど、その推論を最適化するためにモデルの訓練が必要になります。そして、より多くの訓練が行われれば、その訓練コストを償却するために、より多くの推論を展開したくなるという、「訓練と推論の好循環」が存在するのです。この連鎖が続く限り、NVIDIAは市場で重要な役割を担い続けるでしょう。

AIが労働力不足を引き起こす3つの理由

ロス氏の最も注目すべき予測の一つは、「AIが大規模な労働力不足を引き起こす」というものです。彼は、この現象を以下の3つの要因から説明します。

  1. 大規模なデフレ圧力: AIは、コーヒーの栽培からサプライチェーン管理、遺伝子工学による生産性向上まで、あらゆる産業において効率性を劇的に高めます。これにより、住宅、食品、サービスなど、あらゆるもののコストが低下し、社会全体で大規模なデフレ圧力が生じます。
  2. 労働からのオプトアウト: デフレにより、人々は現在のライフスタイルを維持するためにより少ないお金で済むようになります。結果として、週あたりの労働時間や年あたりの労働日数が減り、早期退職を選ぶ人が増えるなど、多くの人が労働市場から「オプトアウト」するようになります。
  3. 新しい産業と雇用の創出: 100年前、米国の労働力の98%が農業に従事していましたが、技術革新によりその割合は2%にまで減少しました。しかし、残りの96%の人々は失業することなく、ソフトウェア開発者やインフルエンサーといった、かつては想像もできなかったような新しい仕事や産業が生まれました。AIも同様に、現在では想像もつかない新しい仕事や産業を創出し、そこに膨大な労働力が必要となるとロス氏は予測します。

これらの複合的な効果により、「私たちはAIによって創出されるすべての仕事を埋めるのに十分な人々がいなくなるだろう」とロス氏は結論付けます。これは、かつて「大規模な飢饉が起こるだろう」と予測されたが実際には起こらなかったように、技術の進歩が経済に与える影響を人々が過小評価している典型的な例だと彼は指摘します。

「Vibe Coding」の時代:プロンプトが新しい読み書きに

AIが社会に与える具体的な影響として、ロス氏は「Vibe Coding」(バイブ・コーディング)の普及を挙げます。かつて「読み書き」は書記のような専門職に限定されたスキルでしたが、今では誰もが持つ普遍的なスキルとなりました。ロス氏は、コーディングも同様に、将来は誰もが持つスキルになると予測します。

彼は、25店舗のコーヒーショップチェーンを経営する、プログラミング経験のない人物が、Vibe Codingを使って在庫管理ツールを自作した事例を挙げます。この人物は、コードを書かずにツールを動かし、従業員からのフィードバックを受けてプロンプトを修正することで、エッジケースの問題も解決していきました。

将来的には、マーケティング担当者もカスタマーサービス担当者も、誰もが「コードを扱える」ことが当たり前になるでしょう。専門的なソフトウェア開発者の役割は変わりますが、AIとの対話を通じて問題を解決する「Vibe Coding」能力が、あらゆる職種で求められるようになるのです。

マージンの重要性:安定性と成長のバランス

企業経営において「マージン(利益率)」は重要かという問いに対し、ロス氏は「最終的には利益が必要だが、高すぎるマージンは競争相手の参入を許す」と答えます。「あなたのマージンは私の機会だ」という格言を引用し、高マージンは企業の安定性をもたらす一方で、競争的優位性を失う可能性があると指摘します。

Groqの戦略は、できる限り低いマージンを維持し、その代わりに「ボリュームを増やす」ことです。ロス氏は「コンピューティングの需要は飽くなきものだ。コストを下げ続ければ、人々はより多く買うだろう」と語り、ジェボンズのパラドックス(効率性が向上すると消費量が増加する現象)がコンピューティング市場にも当てはまると考えています。顧客との信頼関係を築くためにも、常に「良い取引」を提供し、高ボリュームを通じて利益を確保する戦略を推進しています。

AIの導入コストが劇的に低下している「Canva」の事例も、この考え方を裏付けます。成功するビジネスは、バランスシートの bottom line だけでなく、顧客の問題解決に焦点を当てます。AIによってTAM(Total Addressable Market)が拡大し、製品が使いやすくなることで、顧客はより多くの価値を得て、結果的に企業の収益も増加するのです。

AIがもたらす経済・社会変革は、従来の常識を覆すものであり、私たちはこの新しい時代を理解し、適応していく必要があるでしょう。

第8章:Groqの独自性と未来戦略 – 世界を最適化するビジョン

AI時代のコンピューティング需要の急増と既存サプライチェーンの課題の中で、Groqはその独自の技術とビジネスモデルで注目を集めています。ジョナサン・ロス氏は、GroqのSRAMベースのアーキテクチャの利点、グローバルな最適化戦略、そして市場に対する独自の視点を語ります。

SRAM vs DRAM:システム全体の視点で考えるコスト

GroqのLPU(Language Processor Unit)がSRAM(Static Random-Access Memory)を大量に使用していることに対し、「SRAMはDRAM(Dynamic Random-Access Memory)よりも高価ではないのか?」という疑問がしばしば投げかけられます。ロス氏はこの疑問に対し、「はい、SRAMはビットあたり3〜4倍高価です」と率直に認めます。SRAMはDRAMよりも多くのトランジスタを使用するため、シリコン面積が大きくなり、結果としてコストが高くなります。

しかし、ロス氏はここで**「システム全体の視点」**で考えることの重要性を強調します。例えば、Groqのチップ4,000個でKimmyというモデルを動かす場合と、8個のGPUで同じモデルを動かす場合を比較します。GPUを使用する場合、モデルのコピーが500個必要になるため、DRAMの利用量は500倍になります。たとえSRAMがDRAMの10倍高価だとしても、GPUがDRAMを500倍使用していれば、システム全体のメモリコストはGPUの方がはるかに高くなるのです。これは、チップ単体ではなく、システム全体、そしてさらにデータセンター全体、ひいては世界全体でコンピューティングを最適化するというGroqの哲学を象徴しています。

グローバル最適化戦略:世界規模でコンピューティングを配分する

Groqは現在13のデータセンターを米国、カナダ、ヨーロッパ、中東に展開しており、今後はデータセンターレベルではなく、「世界レベル」でコンピューティングリソースを最適化していくとロス氏は語ります。これは、地理的な需要や特定のモデルの最適化に合わせて、モデルのインスタンスを特定のデータセンターに配置したり、あるいは別の地域のデータセンターにルーティングしたりする、高度なロードバランシングを意味します。このようなグローバルな最適化を通じて、Groqは最高のパフォーマンスと効率性を実現しようとしています。

リスクを取ること:供給能力の倍増への意欲

「もし何も恐れていなかったら、何をしますか?」という問いに対し、ロス氏は「サプライチェーンの注文を2倍にするだろう」と答えます。Groqは6ヶ月という短いサプライチェーンサイクルを持っているため、市場の需要に迅速に対応できます。直近では、Groqの総容量の5倍ものコンピューティングを求める顧客が現れるなど、需要は供給をはるかに上回っています。

Groqがすぐに供給を2倍にしない唯一の理由は、たとえ2倍にしても、5倍の需要を持つ顧客に対応できないかもしれないという判断です。しかし、ロス氏は、最近7億5000万ドル(目標の3億ドルの倍以上)を調達し、さらに4倍のオーバーサブスクライブがあったことを明かし、より多くの資金調達と供給能力の拡大に踏み切る可能性を示唆します。Groqの「トークンあたりのコスト」は、特に速度を考慮すると非常に競争力が高く、市場の残りの部分よりも安価に提供できるため、価格を下げれば需要はさらに拡大するという確信を持っています。

NVIDIAの5年後とGroqの存在感

5年後のチップ市場について、ロス氏は「NVIDIAが収益の50%以上を占め続けるだろう」と予測します。NVIDIAは強力なブランド力と確立された地位を持っており、高マージンを維持しても「NVIDIA製品を買っておけば間違いはない」という顧客心理が存在するため、そのビジネスは非常に価値あるものとして残るでしょう。

しかし、一方で「NVIDIAが販売するチップの割合は少数派になるだろう」とも予測します。現在、市場の支出の99%を占める35〜36社のような大口顧客は、ブランドだけでなく、自社のビジネス成功にとって何が最適かという観点から意思決定を下す力が強くなります。これにより、NVIDIA以外のチップも幅広く利用されるようになるとロス氏は見ています。

Groqの創業者として今何をすべきか:「チップはやらない」

「もし今、Groqを創業するなら、何を違うことをしますか?」という仮定の問いに対し、ロス氏は驚くべき答えを返します。「チップはやりません。もう手遅れです」。

彼がチップ開発を選んだのは、Google TPUでの経験と、チップ開発が持つ「時間的堀」(Temporal Moat)に魅力を感じたからでした。チップの設計から生産までには完璧な実行でも3年かかり、86%の確率で再設計が必要となるため、参入障壁が非常に高いと説明します。しかし、Groq自身が今や1年サイクルで新チップを開発していることを考えると、この「堀」は以前ほど深くないと感じているのかもしれません。

変化したマインドセットとXAIの未来

ロス氏のリーダーシップにおけるマインドセットの変化も興味深い点です。かつては「選択肢を残すこと(preserving optionality)」が最も重要だと考えていたが、今は「集中(focus)」が重要だと語ります。ただし、初期の段階で選択肢を持っていたことが、最も成功する道を特定するために不可欠だったとも補足します。

Elon MuskのXAIについても言及し、初期のAI企業は「誰もが競争している」と考えがちだが、最終的には市場は分散し、各社は差別化を図る必要があると指摘します。Anthropicがコーディングに特化したように、XAIもソーシャルネットワークとの統合という独自のニッチを見つけて成功する可能性をロス氏は見ています。しかし、差別化できなければ、淘汰される運命にあると彼は警告します。

最終的に、Groqのビジョンは、世界規模でコンピューティングを最適化し、AIの真の可能性を解き放つことにあります。そのために、独自の技術と、変化を恐れずリスクを取る経営哲学を貫いているのです。

最終章:AIが拓く「知性の望遠鏡」 – 未来への希望

ジョナサン・ロス氏との対話は、AIが単なる技術革新に留まらない、人類社会全体の構造変革を促す根源的な力であることを示唆しています。彼の言葉は、AIの未来に対する懸念と期待の間に、新たな視点と深い洞察を与えてくれます。

AIの未来における最もエキサイティングなこと

インタビューの最後に、「未来に最もワクワクすることは何か?」という問いに対し、ロス氏は、「ほとんどの人が恐れることが私をワクワクさせる」と答えます。彼は、AIに対する現在の一般的な恐怖心を、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を普及させた時代のアナロジーを用いて説明します。

数百年前にガリレオが望遠鏡で宇宙の真実を明らかにした時、人類は自分が想像していた以上に宇宙が広大であることに直面し、自身の存在が「非常に小さい」と感じました。この発見は、当時の人々にとって大きな混乱と恐怖をもたらし、ガリレオ自身も迫害を受けました。しかし、時を経て、人類は宇宙の広大さとその美しさを理解し、受け入れるようになりました。

ロス氏は、現在のLLM(大規模言語モデル)を「知性の望遠鏡」になぞらえます。今、AIは私たちに「知性」の広大さを垣間見せ、人間自身の知性が「非常に小さい」と感じさせているかもしれません。しかし、100年後には、私たちは知性が想像をはるかに超えて広大であり、それが「美しい」ものであると認識するようになるだろうとロス氏は予測します。この、知性の新たな地平を拓く可能性こそが、彼を最もワクワクさせる未来なのです。

結論:コンピューティングが未来を創る

ジョナサン・ロス氏の洞察は、AIの未来が「コンピューティング」に集約されることを明確に示しています。AI市場の爆発的な成長、大手AI企業による自社チップ開発、供給制約、そしてエネルギー問題。これらすべては、コンピューティングという基盤の上に成り立っています。

  • AI市場は過熱しているが、それは実利と事業存続への危機感に根差している。
  • コンピューティング能力の増強は、AIの品質と収益を直接的に向上させる。
  • スピードは単なる効率性ではなく、ブランド価値と競争優位性を生む。
  • 自社チップ開発は、NVIDIAのモノプソニーからの脱却と「運命の支配」を目指す。
  • HBMの供給制約と迅速なサプライチェーンが、AI競争の鍵を握る。
  • AIは労働力不足を引き起こし、デフレと新たな雇用創出をもたらす。
  • 「Vibe Coding」は、誰もが持つ普遍的なスキルとなる。
  • 国家のAI戦略は、安価なエネルギー源を確保し、そこにコンピューティングを集中できるかどうかにかかっている。
  • Groqは、SRAMベースのアーキテクチャと迅速な供給能力、グローバル最適化戦略で独自の地位を築く。
  • AIは、人類に知性の新たな地平を拓く「知性の望遠鏡」である。

私たちは今、歴史的な変革の真っ只中にいます。この変革を理解し、その恩恵を最大限に享受するためには、ジョナサン・ロス氏のような先見の明を持つリーダーたちの言葉に耳を傾け、コンピューティングとエネルギーがもたらす未来の可能性を深く洞察し続ける必要があるでしょう。AIがもたらす「美しい知性の世界」が、私たちの目の前に広がり始めています。